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「ってな事があってね…。」
「あんたの説明も確かに足りないかもだけど、普通さー、電話とかメールとかで聞くよね。どれがいいか。そりゃ合わないね。」
同情するような表情のサエコ
「でもでもでもね、あの人凄くヘビースモーカーだったんだけど、タバコ嫌いの私の為にやめてくれたの。私の前では吸わないようになってくれたんだ。」
何をフォローしているんだ、私。
私がいない時じゃ絶対吸ってるだろうし。
ヘビースモーカーがタバコをやめるって絶対難しい
タバコの話をするとユウジは猛烈にキレる為何も言えないでいた。
「ふぅん、じゃあそこは問題ないとすれば、合わないのはさっきの話くらい?なんだ全然問題ないじゃない。」
ユウジの性格からして隠れて吸ってるだろうとサエコは思っていたに違いないが、面倒だったのかあえて触れてこなかった。
「……………。」
思わず遠い目をする私を見たサエコはため息をついた。
「まだあんのね。言いなさい。聞いてあげるから」
サエコはケーキを一欠片食べて再びコーヒーを飲む。
私もつられてコーヒーを一杯含んだ。
苦味と渋い香りが口の中に広がる。
苦い思い出も…同時に蘇る。
ある日の休日の夕刻だった。
私とテーブルを挟んだかたちで
向かいあったままユウジはジャンプを読んでいた。
私はスマートフォンを操作していた。
チラっとユウジを見る。
すると!!
ホジホジ………。
パクっ。
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