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握った感触が離れないまま、気恥ずかしさが残ったまま空いてる機種に入った。
「プリクラ撮ったことあります?」
「一応ある」
定食屋の釣りの中から四百円を入れる。
「誰と?」
「まぁ、友達」
モード選択が出てきた瞬間、通常の「ふたりモード」を無視し、瑞季は「デートモード」をタッチする。
「あ、なんで」
「友達という名の元カノさんですね」
画面の例のポーズに男女が映る。
「彼女さんとはどうやって撮ったんですか?」
「どうやってって……」
「こう?」
瑞季はニヤリと笑うと、俺の頬を両手で包みそのまま顔を近づけた。
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