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相手は四人で年上、こっちは二人でそのうちの一人が女性という始末。
だが、頼まれた以上、一歩も引かないのが俺の美学でもある。
お互いが対峙し、グッと拳を握りしめて、振り上げようとしたそのとき、、、、、
キーンコーンカーンコーン
電子音のチャイムが鳴り響く
「はーいお昼寝の時間ですよー、みんな中に入ってくださーい。」
エプロンをつけた女性がこちらを呼びかける。
チッと舌打ちをし、部屋の中へと帰っていく。
俺は囲まれていた男の手を取り、同じく部屋へと向かった。
「よかった~、〇〇君大丈夫?」
さっきまで半べそだった彼も、おやつと聞き少し元気を取り戻していた。
俺はそのやりとりを横目に、フッっと微笑みおやつを取りに行った。
「はーいみんな行き渡ったかな~?」
今日のおやつはコーヒカップに入った暖かいココアと異国の城のようなものがプリントされた、タバコ型のチョコだ。
先ほど、先に食べてしまった俺はただただ周りを見つめるだけだった。
「優くん、さっきは助けてくれてありがとう!」そういうと〇〇君は微かにココアの香りのする空のカップの中に半分ほど注いでくれた。
「私もあげるよ!さっきはありがとう!」
そういうと女子は2本のタバコ型のチョコを渡してくれた。
「もー、優君だから言ったでしょー、先に食べちゃったら、後で困るよって」
先生の一言に周囲は笑いに包まれる。
「それじゃあ、みんなでせーのー!」
「いただきます!!!」
今日も平和な1日だ。
そういうと今日も俺は二口ほどすすった後に、タバコをくわえる。
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