第1章

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私が先生と出会ったのは12月の始め頃だった。 その日は雪がちらつく寒い日で、寒さに震えながらいつも通り塾に行った。 その日、私は運命の出会いをした。 私が通っている塾では、生徒に対する担当は決まっておらず、その時々によって担当の先生が変わる。 私はその日も担当の先生を待っているとその人は現れた。 一目惚れをした。 見た感じは大学生で、整った顔にふわふわとした髪。その人から放たれるきらきらとした雰囲気。綺麗な手。何もかもが素敵だった。 それからというものの、私は先生が来るといつも質問をしに行った。先生と少しでも仲良くなりたかった。 「ね、せんせー!」 「ん? どうした?」 私の声に先生が振り向く。先生と目が合う。今日もいつも通りのかっこよさだ。 「ここ教えてください!」 そう言うと先生は丁寧に解き方を教えてくれる。 すぐ近くで先生を見ていると呼吸までもが伝わってきそうでどきどきする。 先生が塾に来る日はすぐに時間が経ってしまう。この時間がいつまでも続けばいいのに。
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