4人が本棚に入れています
本棚に追加
一浪して入った大学に通い始めた頃、
JRからバイト先のおでん料理店へ行く途中、
地下一階の通路から何気に覗いた百貨店の洋菓子売り場。
そこで接客する綺麗なお姉さんを見つけた。
艶やかな髪に透き通るような肌。
どうしても気になって、
通るたびに横目で探した。
今日も、いつも通り、バイト先に向かう地下通路から、お姉さんを横目で探した。
『いた、いたっ!』
気が付けば、お姉さんの店へ行きケーキを買っていた。
1つだけ買うのって、なんだか恥ずいから、
「これとそれをください」
「こちらでよろしかったですか?」
小箱に入った2個のケーキを確認する時に、ちらりと名札を見た。
『ふーん、椎名っていうんだ』
さっきまで僕の目の前でお酒を飲んでいた女の人が、その椎名さん。
最初のコメントを投稿しよう!