674人が本棚に入れています
本棚に追加
私は息苦しさから、和宏の手を払いのけようとして、和宏の腕をつかんだ。
でも、和宏の力は想像以上に強く、私は和宏の手を払いのけることができなかった。
「お姉ちゃん、僕に約束してよ。
お姉ちゃんは、憎しみを拡散させるって」
和宏の瞳は、まるでビー玉のように、少しも動くことなく、光がなかった。
「復讐は正義だよ。
憎い相手は死ぬべきなんだ」
〈 もう止めて! 〉
私は息苦しさに悶えながら、心の中で叫んでいた。
〈 あなたが死んだ理由なんて、どうでもいいの!
あなた消えてよ!
今すぐに! 〉
「お姉ちゃんは、憎しみの拡散を僕に誓って」
私は和宏のその言葉に、小さくうなずき、和宏に助けを求めた。
すると、和宏の手が私の首から離れて、私はようやく救われた。
最初のコメントを投稿しよう!