憎しみを抱えた男の子

4/7
前へ
/260ページ
次へ
「お姉ちゃん、復讐は正義だよ。 憎い相手は、罰を受けるべきだって、お姉ちゃんも思うでしょ」 「止めてよ……。 来ないで……。 あっちに行ってよ!」 「復讐アプリのヘビーユーザーなのに、新規投稿をためらうなんて、 お姉ちゃんはズルイよ。 お姉ちゃんは、僕のおかげで、復讐を果たせたのに!」 「だって、仕方ないでしょ。 私には、憎い人がいないんだから……」 「だったら、世の中のすべてを憎みなよ」 そう言って、和宏は青白い二本の腕を伸ばしてきた。 そして、和宏の冷たい手が、私の首に触れると、私はその冷たさにゾッとして悲鳴を上げた。 「お姉ちゃん、復讐アプリのヘビーユーザーは、 もう復讐アプリを抜けられないんだ。 僕がそういうルールを作ったから」 和宏の冷たい手が、突然、私の首をしめつけ、私は息ができなくなった。
/260ページ

最初のコメントを投稿しよう!

674人が本棚に入れています
本棚に追加