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「お姉ちゃん、約束だよ。
お姉ちゃんは、憎しみを拡散させてね。
復讐は正義だよ。
憎い相手は死ぬべきなんだ」
和宏はそう言うと、まるで煙が空気に溶け込むように消え去った。
私は和宏に首をしめつけられた息苦しさから、肩で息をして、額に汗をかいていた。
〈 復讐アプリって、和宏の呪いなんだ。
和宏の理想の世界が、復讐アプリなんだ。
だとしたら、和宏の心は屈折している。
憎しみの拡散と復讐が、理想の世界だなんて…… 〉
私は荒い息をして、恐怖で体を震わせていると、机の上に置いてある私のスマホが気になった。
私はカタカタと震える足で立ち上がり、スマホを取りに、机の方へ歩き出した。
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