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見慣れない色。
京急らしい真っ赤な車体に白のラインじゃなくて、菜の花のような、鮮やかな黄色の車体。
そういえば、『黄色い電車を見たら幸せになれる』とか聞いたことがあるけど、これの事かしら?
幸せとは対極にいる私を幸せにするなんて、不可能なのに……。
プシューと音をたてて、ドアが開く。
すると、再び駅は幸せオーラで賑わう。
……時間、ずらそ。
改札混んでるし。
あのオーラに触れたくなくて、駅のベンチに隠れるように避難する。
すると、人波から外れた私に、わざわさ向かってくる人影が。
え、まさか?
遠くからでも分かるそのシルエツトは、私か恋い焦がれた彼のもの。
近付いてくるにつれ、身に付けている衣服からなにから、全てがわかるようになる。
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