エアポート快特 三崎口行

10/11
前へ
/11ページ
次へ
見慣れない色。 京急らしい真っ赤な車体に白のラインじゃなくて、菜の花のような、鮮やかな黄色の車体。 そういえば、『黄色い電車を見たら幸せになれる』とか聞いたことがあるけど、これの事かしら? 幸せとは対極にいる私を幸せにするなんて、不可能なのに……。 プシューと音をたてて、ドアが開く。 すると、再び駅は幸せオーラで賑わう。 ……時間、ずらそ。 改札混んでるし。 あのオーラに触れたくなくて、駅のベンチに隠れるように避難する。 すると、人波から外れた私に、わざわさ向かってくる人影が。 え、まさか? 遠くからでも分かるそのシルエツトは、私か恋い焦がれた彼のもの。 近付いてくるにつれ、身に付けている衣服からなにから、全てがわかるようになる。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加