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「今度さ、海外行くんだ」
え?
「ロンドンはヒースローまで行ってくる」
「ちょ、ちょっと待って!
い、いつ、いつ行くの?」
「明日の午前の便に乗る」
明日、そんな急に……。
しかも、明日は講義がある。
それも、出席日数ギリギリのやつ。
「そ、その日は予定が……。
ほ、他の日は?」
「いやいや、日程は変えられないよ」
そんな!
そりゃあ、ちゃんと告白したわけでも、されたわけでもないけどさ。
私はお付き合いしてるつもりでいた。
なのに、そんな突然の別れ。
それも、見送りすら出来ないなんて、そんなのないよ。
「あ、まさか見送り?
いや、ただ勉強に行くだけだし、すぐ戻るから。
じゃあ、明日は早いから、もう帰ろう。
急でゴメンな。
でも、一応海外行くわけだし、何も言わないのもどうかと思ってさ」
~~~~~
その後の記憶はない。
観音崎京急ホテルでのディナーの後、どうやって帰ったのかも覚えてない。
少なくとも、彼と一夜を明かすロマンチックな事はなかった。
それだけは確か。
このままじゃダメだ!
今のままだと、そのまま自然消滅しちゃう!
そんなのイヤだ!
だから、私は単位を見捨てて、彼の見送りに出た……。
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