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あ~もう、赤い京急なんて見たくもない!
絶対、違うとこに引っ越そう。
それで、新しい私を見つけるんだ!
マリンパークに向かうのか、両手を仲良く繋いだカップルやら家族連れで賑わう駅で、一人憤慨する私。
ってか、周りの幸せオーラを見てると余計に腹が立つ。
あのとき、『京急蒲田』で降りてたら、
『横須賀』のカレーショップで出会わなければ、
大学のキャンパスで出会わなければ、
最初から彼の事を知らなければ、
こんなに、こんな風になることもなかったのに。
「……バカ」
彼にでもなく、私にでもない。
ただ、心の中のモヤモヤが漏れて出ただけの、ただの呟き。
そんな小さな呟きを聞く人などおらず、改札の外へと消え行く人の足並み。
一人取り残されたホームに佇むと、後続の列車がホームに滑り込んでくる。
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