痴漢

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コータがJKとヒデキの一連のやり取りを見ている。 (この不潔野郎、やってまいよったか。  アホやなぁ。JKの痴漢行為と引き換えに、もっと大きなもん失いよるんや。  代償ヮあまりに大きいで~。よし、ここは俺が……) コータはヒデキの右肩をグっと掴んで、自分の方へ体を向かせた。 「おいアンタ、女の子が言うとるんや。もう証拠映像撮られとるみたいやし、観念しとき。  もうすぐ駅に着くから、そこでちゃんと降りなはれ」 「ああ、あ、アンタには関係あらへんやろ!」 ヒデキはカラカラに喉が渇いた状態だった。 「関係あらへんとか関係あらへんがな。  女子高生が痴漢されたて声出して訴えるんは勇気要る事や。  周り見てみ?  み~んなアンタの事見てるで?  逃げる事は出来ひんから、大人しく次の駅で降りなはれ、な?」 そう言ってコータは、ヒデキの肩をポンと叩いた。 ヒデキは観念し、肩身の狭い思いをして、周囲が最大級に軽蔑の目で見られるのを耐えるしかなかった。 (チキショー!ツイてへんわ!俺の人生、お終いや……  会社になんて説明すれば、いや、もうクビにされてまう!  しもた!時間よ戻れ!戻ってくれ~!  タイムマシンがあったら、過去に戻って出勤前に自分に会いにいって  痴漢絶対にするなって忠告しにいくのに!  でももう無理や、後悔先に立たずや……最悪や!) JKは、ヒデキの事を、全宇宙で一番汚い物を見る目で蔑んだ。 全宇宙で一番汚いと言う事は、ウンコよりも汚いのだ。 いま、ヒデキはJKにウンコよりも下のレベルで見られている。 人生で生きていて、他人にウンコよりも汚い存在に見られる事があるだろうか? ヒデキは、それぐらいの事をしてしまったのだ。
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