痴漢

15/17
前へ
/194ページ
次へ
事務所の椅子に座らされるヒデキ。 ヒナは座らずに立って待つ事にした。 駅員が 「警察に連絡しますんでしばらくお待ち下さい」 と、受話器を持ちながらヒナに向かって言った。 「あ、はい、わかりました」 ヒデキは (ちくしょう!なんでこんな事になったんや!  まさかこの女があんな大きい声で痴漢されてる事を  訴えるなんて思わんかった……。  このアマ、可愛い顔して大人しそうな印象やったけど  めっちゃ神経図太い女やんけ。騙されたわ) ヒナは (あはは♪ざまぁみろオッサン。  これでアンタの人生終わりやで(笑)  アタシにイヤらしい痴漢した事を  思いっきり後悔しとけ♪いい気味やわ) ほくそ笑みながら、ヒデキを見た。 ヒデキは俯いて、ガックリと肩を落としていた。 通報している駅員とは別の事務仕事をしている もう一人の駅員がヒデキの姿をチラリと確認して思った。 (コイツか、女子高生に痴漢しよったアホは。  見た感じやと、真面目そうな顔してるし  そんな事しそうにヮとても思えへんけどなぁ。  ホンマ、人って見た目じゃわからんもんやで。) そして、次に壁にもたれて立っているJKに視線を移し、 (うお~、よう見たら可愛い顔した女子高生やんけ♪  しかもスカートの丈もごっつ短いし  ちょっとしゃがんだらパンツ見えそうやんけ♪  そら~こんな可愛い女子高生が自分の目の前におったら  ムラムラして痴漢したくなる気持ちもわからんでもないわ。  まぁ、それでも警察に逮捕されて  何もかも失う事おもたら、そんなアホなリスク  冒すのは絶対に割りにあわんわな。アホ事しよったわ) そう思いながら、駅員は事務仕事を再開した。
/194ページ

最初のコメントを投稿しよう!

44人が本棚に入れています
本棚に追加