痴漢

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ヒデキはガクっと俯いて 「はい……僕がやりました……」 小太り警官が 「やな?ほなちょっと署まで来てもらうで。  お嬢ちゃんも学校いかなアカンやろ?  後で警察署に来て被害届け出してくれるか?」 「あ、はい、出します。  こんな奴、厳しく処分して下さい。  これからも同じ事繰り返されたら困るんで!」 JKは思った。 (ばーか、アタシの勝ちやな♪  ちょっとでもアタシの体に触れただけでもラッキーや思え) 事務仕事をしていた駅員が一連のやり取りを横目でずっと見ていた。 (あ~あ、アホな奴もおるもんや。  あの人、今後どないなるんやろか?  きっと家族とか親戚とか会社の人とか、知りあい全員に  痴漢して逮捕された事が知れ渡って、堂々と生きていけんようになるのは間違いあらへんな。  情けないこっちゃ。痴漢、アカン、やな(笑)) 若い警官はヒデキを見て思った。 (こんな一見真面目そうな人やのに、痴漢しはるんやなぁ。  まぁ被害に遭った女子高生も、パンツ見えそうなカッコやし  アイドルみたいなルックスしてるから  触りたくなる気持ちは分からんでもないけどな(笑)) ヒデキは警官に連行されていった。 ヒナは遅刻だったが、学校に行った。 被害届けが受理され、ヒデキは痴漢容疑で逮捕された。 ヒデキが逮捕された事は、当然家族や会社に知れ渡った。 実家の両親は思った。 母は (まさか……なんでヒデキが……  そんな事するような子やないのに……  真面目なエエ子やったのに……) 涙を流して悲しんだ。 父は (アイツ、アホな事しよってからに!  家では大人しいくせに、そんな大胆な事したなんて信じられへん。  情けない奴や。親として恥ずかしいわ……) そんな父も、母には内緒で、母が家にいない時にはパソコンを起動させ、インターネットでエロ動画を見まくっている。 母がいつ帰ってきてもスグに画面が切り替えられるように、複数の見られてもいいサイトをタブで用意しておき 帰ってくる気配を察知したら、すぐさまエロ動画を開いたタブを閉じて 別のどうでもいい気象予報のサイトを見ているフリをするのであった。
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