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「は?俺は現実を言うたまでや。
4万円もタダで臨時収入得られる機会があったら、誰かてもらうがな。
俺かてもし道で拾て、誰も見とらん状況やったら、バッチリねこばばするわ、間違いない」
マサは鼻くそを小指でホジリながら、椅子を左右にクルクルと回転させている。
「アンタなぁ!それでも警官かよ!?訴えてやる!」
「勝手に訴えとけアホンダラ!こちとら、そんな暇人にかもてる暇は無いんじゃ!
とっととエロ動画の続き見なアカンから、帰りやがれ!
どうせ、財布は一生戻ってこんわ!諦めなはれ、ほなサイナラ」
そう言いながら、マサはぺっと床に唾を吐き捨て、シッシッシと手をはらった。
「ち、ちきしょう!
こんな事してたら、いつか問題になるからな!」
男は泣きべそをかきながら、ダダっと警察署から出て行った。
「ったくよぉ、せっかくエエとこやったのに邪魔しやがって」
「おう、どないした?なんか問題でもあったんか?」
そこへ、マサの上司である部長のゴンタが様子を見に来た。
「いやね、財布落としたちゅうて、届け出が無いかきよったアホがおったんやけど、
んなもん、この御時世に親切に届ける奴おらん言うたら、半べそかいて出ていきよったんですわ♪」
マサはガハハと笑いながら言った。
「ホンマかいな?そんな奴ほっといたらエエねん。
シカトしとけ、相手にすんな」
ゴンタはポンポンとマサの肩を叩いた。
「ですよねぇ?こっちはエロ動画観てて忙しいっちゅうのに、ちょっとは空気読めって感じっすよね?」
「ほう、エロ動画観とったんか♪
どれどれ、ワシにもちょっと見せてくれんか?」
ゴンタは目を見開いてパソコンの画面を横から腰をかがめてのぞき込んだ。
「いやね、クライマックスの場面に来た矢先に、
ちょうどアホの奴がきよって、邪魔されたんですわ~ホンマ腹立ちますわ」
「そらアカンな、そいつが悪い。
そんな奴ほっといて観てたら良かったんや、今度から絶対にそうせぇや」
「そうでっしゃろ?」
「んで、ちょっと続き再生してみてくれんか?」
「あ、エエっすよ。俺も観たいとこでしたから」
マサは再生ボタンをクリックして動画を流した。
「お~♪凄いやないか、ちょうどエエ場面や!
ほれにしてもこの男優、メチャメチャ速い動きやなぁ、ちょっと速すぎへんか(笑)」
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