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「ここがアシュヴィン双神の家?」
「だと思いますよ。天馬もいますから。」
「普通の家よね……。」
神の家なのに、古民家のような家だった。
質素さに驚きながら、戸を叩く。
少しして戸が開くと、訝しげな顔をした男が現れた。
「あの、初めまして、シャスタ・ナイトと申します。先日神にしていただいた者ですが、アシュヴィン双神にお願いがあって参りました。」
「ああ!君達が噂のナイト夫妻ですか。へえ、元人間とは思えない容姿ですね。」
神と女神は美男美女揃いである。
恐らく人間に崇められる存在だからだろう。
元人間なのに見劣りしない二人を、物珍しそうにマジマジと見ている。
「あの、」
「ああ、失礼しました。それでお願いとは?」
「えーと、その……排卵誘発剤をいただきに……。」
「排卵誘発剤ですか。あれ?どうしてその事を知ってるんです?」
自ら調べたと話すと、興味を持ったのか家の中へ招かれた。
そこには同じ顔をした男がもう一人……。
「ナーサティヤ、噂のナイト夫妻ですよ。」
「初めまして。人間を神にするなんて、あの人も思い切った事をしましたよね。」
そう言ったナーサティヤの目には同情の色があった。
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