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「あの……」
どうして同情的なのかと、理由を問うシルビア。
「元人間=低地位の神になるからですよ。私達なんて長く下界にいただけでそうなりましたからね。」
今ではそれなりの地位にあるが、当時は納得のいかない仕打ちをされた。
そんな経験があるからなのか、アシュヴィン達は二人に好意的だった。
「それで?シャスタ神が機械だったと言うのは本当なんですか?」
「はい。コンピュータだったからこそ、知識の神にしたんだと思います。」
「なるほど。その知識で私達の事や薬の事を知ったんですね。」
「薬?ダスラ、何の薬が必要なんですか?」
ナーサティヤが首を傾げる。
天界人に薬は不要なのだが……。
「ふふ、子作りに必要な薬ですよ。」
「え、神になったばかりでもう?」
永遠の命を持つ者は子孫を残す必要がないと言える。
寿命が短いからこそ、子孫を残すのが生物の本能なのだ。
「私は天涯孤独の身の上だったんです。シャスタもコンピュータとして生まれたから血縁はいなくて……。」
「だから私達は家族を求めてしまうんですよね……。」
頬を掻くシャスタに微笑むナーサティヤ。
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