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「生まれた時から二人の私達とは違いますよね。その孤独感は分かりませんが、ダスラのいない生活がそうだとすると……ふふ、血縁が欲しくなりますね。」
「では薬は……」
「差し上げますよ。子作り頑張って下さい。」
スッと薬が手渡された。
首を傾げながら受け取るシャスタ。
「あの、ダスラさん、薬のお代は?」
「シルビア、彼はナーサティヤさんですよ。間違えちゃ失礼じゃないですか。」
「あっ、ごめんなさい、」
「いえ、構いませんよ。正直、私達を見分けられる人はいませんからね。」
苦笑する二人を見て、シャスタがきょとんとする。
「そうなんですか?どうして見分けられないのか不思議ですね。」
「え?もしかして見分けがついて……?」
頷くシャスタを見て、顔を見合わせた双神が立ち上がった。
「ちょっと失礼しますね。」
そう言って部屋を出て行く双神。
突然の事に焦る二人。
「機嫌損ねちゃったの……?」
「どうでしょう……。私には嬉しそうに見えましたけど……。」
理由が分からないまま、双神が戻るのを待つ。
戻った双神は神妙な面持ちをしていた。
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