アシュヴィン双神

6/15

20人が本棚に入れています
本棚に追加
/1056ページ
「あの、アシュヴィン双神……?」 見分けのつかないシルビアが、差し障りのない呼び方で声をかける。 「シャスタさん、見分けがつきますか?」 「え?ええ。こちらがダスラさんで、こちらがナーサティヤさんですよね?」 何の迷いもなく答えたシャスタ。 双神が笑顔になる。 「シャスタさん!仲良くしましょうね!」 「何かあれば遠慮なく言って下さいね!」 ダスラとナーサティヤに手を取られ、ぶんぶん振られる。 個人を認識された事がよほど嬉しかったのだろう。 「え、あの、何で……?」 横で見ていたシルビアが唖然とする。 「私達を見分けられたのはシャスタさんが初めてなんですよ。こんなに嬉しいなんて思いもしませんでした。」 「そ、そうなんだ、」 その喜び方に少し引いた。 だが、なぜシャスタは見分ける事ができるのだろう。 顔認証システムを搭載したコンピュータならまだしも、シャスタは生身の━━ 「もしかして名残……?」 「え、名残って?」 手を握られたままのシャスタが、苦笑しながら聞き返した。 .
/1056ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加