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だが、彼女に悪意はない。
純粋に動物を愛し、可愛がっているだけだ。
「決めたわ。シャスタ、白と黒はヒンディー語で何て言うの?」
「白と黒ですか?白はサフェードで黒はカーラーですよ。」
「じゃあ、貴方はサフェードに決まり。貴方はカーラーよ。」
白馬と黒馬がきょとんとする。
〈サフェードとカーラーって何の事です?〉
「貴方達の名前ですよ。シルビアさんに名付け親になって頂きました。」
名前と聞き、目を見開く二頭。
〈私達に名前が!?宜しいんですか!?〉
〈名を貰えるなんて……ああ、光栄です……。〉
その反応に驚くシルビアとシャスタ。
自分達にしてみれば、名を付けるのは当たり前の事なのだが……。
「だからと言って何も変わりませんけどね。私達には貴方達しか従者はいませんから。」
〈それでも嬉しいんです。ありがとうございます、ナーサティヤ神……。〉
サフェードが深々と頭を下げる。
カーラーもダスラに頭を下げていた。
多くの従者を持つ神は、はっきり言って従者を個々で区別していない。
有能な者だけが名を与えられ、特別視されるのである。
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