アシュヴィン双神

10/15

20人が本棚に入れています
本棚に追加
/1056ページ
だが、彼女に悪意はない。 純粋に動物を愛し、可愛がっているだけだ。 「決めたわ。シャスタ、白と黒はヒンディー語で何て言うの?」 「白と黒ですか?白はサフェードで黒はカーラーですよ。」 「じゃあ、貴方はサフェードに決まり。貴方はカーラーよ。」 白馬と黒馬がきょとんとする。 〈サフェードとカーラーって何の事です?〉 「貴方達の名前ですよ。シルビアさんに名付け親になって頂きました。」 名前と聞き、目を見開く二頭。 〈私達に名前が!?宜しいんですか!?〉 〈名を貰えるなんて……ああ、光栄です……。〉 その反応に驚くシルビアとシャスタ。 自分達にしてみれば、名を付けるのは当たり前の事なのだが……。 「だからと言って何も変わりませんけどね。私達には貴方達しか従者はいませんから。」 〈それでも嬉しいんです。ありがとうございます、ナーサティヤ神……。〉 サフェードが深々と頭を下げる。 カーラーもダスラに頭を下げていた。 多くの従者を持つ神は、はっきり言って従者を個々で区別していない。 有能な者だけが名を与えられ、特別視されるのである。 .
/1056ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加