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空中散歩を楽しみ、満足したシルビアが地上に降りる。
「ありがとう、サフェード。また遊びましょうね。」
ちゅっとキスされたサフェードが脱力した。
〈うう、こんなに凄い愛情とは……〉
〈そ、そんなに……?〉
ゴクリと唾を飲み込むカーラー。
そんなカーラーに、シルビアが笑顔で歩み寄る。
「次はカーラーね。ふふ、今度は向こうに行ってみましょ。」
〈う、は、はい……。〉
未知の恐怖。
だが断れない。
彼女の愛情を得たいという欲望が勝ってしまった。
「行くわよ!カーラー!」
〈は、はい!〉
駆け行くシルビアとカーラーを見送った双神が、脱力しているサフェードを見て思案する。
彼女の愛情は神獣達を虜にするだろう。
彼らを操られたら大ダメージだ。
この力を悪用されたら━━
「いや、するべきかも……。」
「そうですね。するべきです。」
要点のない会話に首を傾げるシャスタ。
何をするべきなのか、双神に尋ねてみた。
「地位を得る為の交渉ですよ。彼女の能力を生かし、少しでも上の地位を獲得するんです。」
「地位……ですか?はは、私達はそんな物に興味は」
「地位は大事ですよ。」
ピシャリと言葉を遮られた。
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