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「授けてもらうか、フィーリングで決まるようですね。」
「フィーリングか……。今はまだ分からないわね。」
今は眠るのが仕事の二匹だ。
自我もない為、フィーリングも分からない。
「もう少し大きくなったら分かるんじゃないですか?」
「そうね。ふふ、早く大きくなってね。」
可愛い二匹をいつまでも眺めていたいところだが……
「そろそろ戻りましょうか。」
「ええ。離れがたいけど仕方ないわね。」
隊員達の指導に戻らなければならない。
自宅を出た二人は、短い散歩デートを楽しみながら育成部へと向かう。
その途中の事だった。
「!」
「よお!久し振りだな!」
後ろからいきなり肩を抱かれ、驚く二人。
寸前まで気配すら感じなかったのだ。
そんな得体の知れない人物に、二人が立ち向かわない訳がない。
「ぐっ!」
頷き合った二人が背後の人物に肘打ちを入れた。
振り向きざまに蹴りを入れ、倒れた人物の腕を取る。
両の腕を取られ、動きを封じられた男。
左右対称の息の合った攻撃に茫然としていた。
「何者ですか!?」
「返答次第では命をもらうわ!」
その冷酷な表情に、男の顔が引きつる。
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