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「あはは、ほんとにシヴァだったんだ。久し振りね。」
そこに恋愛感情は無く、普通の対応だった。
「ったく、マジで目に入んねぇんだな。」
そう言って笑うシヴァにも恋愛感情は無かった。
シルビア達と同様、次第に消えて行ったのである。
「シヴァ?分身の説は無くなった訳ですけど……シルビアの事は……?」
それでも確認しなければ気は済まない。
「あ?別に何とも思ってねぇぞ。単なる友人ってやつ?」
わははと笑ってシルビアの肩を抱く。
瞬間、彼女に腕を捻られシャスタに殴られた。
「うおっ、血!?本気で殴る奴があるか!?加減しろよ!」
「する訳ないでしょう!?シルビアに手出しする者に手加減は無用です!」
「お前も痛ぇって!腕を折る気か!?」
「ええ。私に触れて良いのはシャスタだけだもの。」
笑顔で捻るシルビアにゾッとした。
愛の無い攻撃がこれ程とは……。
「わーかった!もう触んねぇよ!だから離せ!」
あの旅の日々は何だったのかと、全く違う二人にため息が出た。
愛し合っていた女も、親友だと笑い合っていた男も、手加減なく攻撃して来る。
全ては融合のお陰だったのだと、改めて思い知らされた。
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