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「実は私もです……。パールヴァティーとの別れ際に愛していると気づいたんですが……その……シルビアと同様に消えて行きました。」
すみませんと頭を下げるシャスタ。
「そっか……。貴方もパールヴァティーを愛してたのね……。」
「でも消えましたからね!?今は何とも思ってませんからね!?」
必死に弁解するシャスタにクスッと笑う。
「分かってる。融合の影響だったのよ。あは、あんなに愛してたのに……結局はパールヴァティーの感情だったなんてね……。」
自分自身が愛していると思っていたのは、ただの錯覚でしかなかったのだ。
「あっ、あのピアス……失敗しちゃった……」
思い込みでプレゼントしてしまったチベットメノウのピアス。
愛していなかったのだから、愛の証しにはならない。
「仕方ないですよ。そのうち返してもらいましょう。」
「うん。でもシヴァ達はどうなのかな……。私とシャスタの事……」
「同じだと思いますよ。分身である可能性は絶たれましたから、私達への愛はいずれ消えるはずです。」
「そっか……。何だか寂しいわね……。」
愛にあふれた旅だったのにと、虚しさに襲われた。
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