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「御冗談を。
俺は誠心誠意、『リコリス』に尽くしているじゃないですか」
「それが赤谷沙希を生かすための条件だから、だろうが。
俺の発言は、間違ってはいない」
情報屋・長谷家筆頭として全てを使って『リコリス』を翻弄させた沙烏だったが、逃げ切ることはできなかった。
沙希は頭部に銃弾を受け重傷。
周囲は龍樹が本庁に要請した応援に囲まれていた。
そんな中、沙烏が沙希を生かすために取った道が『自身が隷属する対価としての沙希の存命』だった。
「……赤谷沙希に記憶が戻れば、不穏分子と判断して処分せざるを得ない。
そのことを思えば、お前としては赤谷沙希の記憶喪失は都合のいいことだろうが」
情報屋・長谷家の筆頭。
その情報処理・分析の腕は、『リコリス』にとっては垂涎の逸品だった。
だから、長谷久那は、自分を『リコリス』に売った。
赤谷沙希の命を対価として。
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