「知らなかったのは君だよ」

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  『ブオン……ブオン……』  何かの振動音のような効果音を醸し出す赤い光に照らされながら、モノローグが顔に浮き彫り出てしまう程あっけらかんとしたお互いの表情を見合わせる。  少しのあいだ自分が部屋を外してるあいだに、暗がりの中で刃物(スターウォーズのライトセーバー)を片手にカイロ・レンごっこをしていた彼氏を、  その刃物の玩具をクリスマスプレゼントに渡した張本人であるところの彼女は、一体どう思っていたのだろう……。 『ガチャ』  沈黙の後、何事もなかったかのようにふたたび玄関のドアを閉められてしまった。 『ガチャガチャ』  鍵まで閉められてしまった。 「い、いや、待ってよ! 違うんだっ、これはそのっ……!」  必死な彼氏(作者本人)は必死に弁解をしながら、堪え笑いに肩を震わせる彼女の背中を追いかけましたとさ。   image=498835291.jpg
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