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――おっと、いかんいかん……
俺は彼女から視線を引き剥がし、注文するためにカウンターの前に立った。
背中では彼女の存在を意識しながら、けれどまったく気にしていない風を装い、俺は淡々と店員に告げた。
「ホットのカフェラテをトールで。あと、ホットサンドもお願いします」
このカフェに通い詰めるうち、何人かの店員とは顔見知りになってしまったから、「いつもの」で通りそうなものだけど。
「かしこまりました。カフェラテのトールとハムとチーズのホットサンドですね、いつもありがとうございます。○○円になります」
その中でも同年代の店員とは時々言葉を交わすことが増えていた。
「――どお、受験勉強はかどってる?」
丸顔の彼が親しげに声をかけてくれた。
「ええまあ。ぼちぼちです」
この1か月はほぼ毎日のように来ているから、カフェの店長とも何度か話したことがあるのだ。
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