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――いつものカフェじゃなくて、今この場所にヒトミさんがいたらどんなだろ……
きっと彼女なら、大きな目をぱちくりさせてこの広いカフェテリアを眺めて、「学生のくせに贅沢だね」とか言いそうだ。
「なんかさ」
「……ん?」
「追い込みの時期なのに、ずいぶんリラックスしてるわね。なんか、余裕って感じ?」
ドキッとした。頭の中をのぞかれた気分だった。
学校の友達とは性別関係なく付き合うほうだが、コバやんと三関の三人でいると、たまに感じることがある。
コバやんが「0」で三関が「8」だと。10段階で表した直感の鋭さだ。
よく「女は感が鋭い」なんて言うけれど、三関と話していると多々感じることがあったものだ。(但しコバやんは一切気づいていない)
「家に籠らないから、適度にリフレッシュできてるんだろうな。たまにチャリで遠回りしてから行ったりしてたし」
「そっか」
それ以上追及されないことに安堵する。できればあのカフェの場所も教えたくなかった。こいつらにヒトミさんのことを知られたりしたら、めんどくさいことになりそうだから。
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