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すでに高校3年の12月。先月で、3年生の授業はほぼ終了していた。
推薦入試の結果が出ているやつらは卒業式まで自由気まま、卒業資金を稼ぐためにアルバイトをしたり車の免許を取得したり、ばかみたいに遊び歩いたり、様々だ。
けれど、来年入試を控えているやつらは(こっちが圧倒的に多い)校内に用意されたゼミに参加したり、朝から晩まで塾に行ったり、図書館に籠ったりする。
俺は推薦の話を断ったから後者なのだが、塾や図書館は使っていないし、本番まで使うつもりもない。
中学から私立に入り、しばらくは塾に通った。中学受験のために小学4年生から進学塾へ通っていたから、行くのが自然の流れだった。
けれど、成績は一向に伸びなかった。成績順で割り振られたクラスの、真ん中の位置で成績も真ん中。それ以下それ以上、まったく変動がなかった。
だから俺は、エスカレーター式に高校へ進学してからは塾に行くのをやめてしまった。
ただでさえ学費がかかるのに、プラス塾の費用が月に10万近くかかるなんて、親に悪いというよりも、自分が嫌だった。
親は最初は心配していたけれど、高校での成績は落ちなかった。
落ちるどころか少し上がり、3年間は普通クラスで常にやや上位をキープしている。あくまでも、「やや」だけれど。
結局、高校の3年間は塾へ行かなかった。3年になってもマイペースに自分で勉強していこうと決めたんだ。
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