コーヒーは、戸棚に鎮座している。

インスタントコーヒーは、戸棚に鎮座している

　私は、インスタントのコーヒーの蓋を開けると、それを私専用のマグカップに入れた。
　そうして、水の入ったやかんをコンロの上に置いた。
　「電気ポット」と言うものも、この学童にはない。
　理由は、もちろんインスタントコーヒーが戸棚に入っているものと同じである。
　まあ、あまりお湯を使わないし、水道はお湯が出る仕様になっているので、湯を沸かす機会もあまりないから、不便は感じない。
　そのまま私は観音開きになっている押入れの前に行くと、そこからノート型パソコンを取り出した。
　子ども達が来るまで一時間あるので、その間、ちょっとした仕事をする時間に当てているのだ。
　子どもを相手する以外にも、仕事は当然ある。
　役所に提出する書類はもちろんのこと、学校に提出する書類、保護者に出す手紙、活動報告書の作成、活動に使う用具の準備、工作の準備、行事の計画書作成などなど、数えればきりがない。