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「……っ!!」
だから!
なんで!!
このタイミングでそんな可愛いことを言うんだっ!!!
カァッと、頬が熱くなるのが分かった。
それを自覚したら、今日のために練習してきた口上を片っ端から忘れてしまった。
『頭ぁ、頭はいつもぶっきらぼうなんですから、ホワイトデーくらい依代に甘い台詞を言わなきゃダメっすよぉ、嫌われますよぉ』
『蓮花兄ちゃん、カンペいる? 書こうか?』
出かける間際までそんな心配をしていた部下の顔が次々と浮かんでは消える。
だがせっかく覚えてきた台詞は、これっぽっちも浮かんできてはくれない。
「……蓮花? 大丈夫? なんだか顔が赤いけれど、暑い?」
そんな俺に追い打ちをかけるかのように、依代が俺の顔を覗き込んできた。
心配そうな表情を浮かべた依代の顔がぼやけ、コツンと額に衝撃が走る。
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