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「はぁ…はぁ」
最悪だ。
銃やナイフなんて持たない。護身術さえろくに身につけていないのに、この地区で騒ぎを起こしてしまうなんて。
後ろから迫る追ってから、少しでも遠く離れるためにがむしゃらに走り、曲がり道を駆けぬける。
しかし、その先の道はフェンスによって塞がれていた。
「くそっ!!」
道をふさぐフェンスは、六メートルほどの高さ。
どうしてこんなに高いんだよ。
内心そう思いつつ、どうにかしてこの状況を打開出来ないかを考える。
しかし、何も思い浮かばない。
まだなんの手掛かりも掴めてないのに。
こんな場所で、こんなことで終われない。
そのためにも、道をふさぐ高いフェンスをどうにかしないと
何か打開策がないか考えていたときだった。フェンスの上から、抑揚のない声が降ってきた。
「なに君?もしかして追われてんの?」
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