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眠いなあ、そんなこと思いながら窓の外を眺める午後1時26分。
高校に入学してはや2ヶ月。
中学の頃の空気とは全く別だけど授業のだるさは変わらない、そんな毎日。
周りの友達はやれクラスの○○が好きだの2組の○○が好きだのそんな話でもちきりだ。
わたし、佐々木芽衣はそういう話にイマイチ興味が無い。というか、分からない。
未だに初恋をしていない……と思う。
かっこいいなとは思っても好きって感情ではないよなと自分で考えた結果こうである。
そもそも 好きってなんだ、まずそこからだった。
数学の問題でよくある、同じ時間に家を出ないうえに途中で自転車に乗る兄弟並に理解ができない。
人並みにお付き合いということはしてきたつもりではあるが、本当に気持ちが通っていたかどうかは別物だった。
告白されて流れで付き合ってしまう、そんな感じだった。
チャイムがなり、憂鬱だった授業の区切り。
ポケットに入っているいちごみるくの飴を口に入れる。
ほのかにいちごの香りが鼻を通る感覚がたまらなく好きなのだ。
「芽衣」
ふいに声をかけられ目をやる。
「あ、瑞希」
「またいちごみるく? 飽きないのそれ?」
「うん、食べる?」
この子は中学からの唯一の心許せる友人。
そしてそのままわたしの前の席に座る。
「いい、遠慮しとく。そうそう今日さ委員会集まりあるからさ先帰っていいよ」
「ふーん、お疲れ」
友人だからといって特に話す訳では無い。
上っ面の関係ではなく、別に黙ってても苦じゃないからできることだと思う。
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