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「お待たせしました唐揚げ弁当です、またよろしくお願いします。ありがとうございました~」 わたしは個人経営のお弁当屋さんでアルバイトをしている。 はじめは緊張した接客業も慣れ、今ではお客さんとたわいない会話をすることがけっこう好きだったりした。 夕方から店が終わる21時まで、学生にぴったりの時間だ。 「芽衣ちゃんもうあがっていいよ~」 「お疲れ様でしたーお先失礼します」 家まで約20分、とぼとぼと携帯をいじりながら帰る。いつも通り。何も変わらない。SNSで放課後遊んだとかいうリア充アピールに(どうでも)いいねを押す。なにがインスタ映えだよ、なんて思いながら。 ただいま、と家に入ってもおかえりはない。 別に特別親と仲良いわけじゃないしもう諦めている。少しぬるくなった湯船に肩まで浸かると気分とは真逆にピロリンと軽快な通知音がなる。 『芽衣に報告!この度篠原瑞希、彼氏できました』 「……はああ!?!?」
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