第五章。 嫉妬

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alice。 それになれば、 なんでも叶うって。 うそつき。 あの子のような、 柔らかな髪も。 あの人のような 透き通る眼も。 あの娘のような きめ細やかな肌も。 あの人みたいな、 吸い付いてしまいたくなる、唇も。 ない、ない。 キレイなものが、溢れてて。 こんなに近くにあるのに。 うちにはない。 うらやましい… うらやましい。 ねぇ、…そんなにたくさんあるなら うちに、ちょうだい? この狂うほど 渇望する、妬ましさは 《罪(alice)》の証。 もう、誰にも止められない。
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