第1章

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「なに飲む?牛乳か麦茶しかないなぁ」 「愛には、麦茶で」 「コーヒーのむ!」 「えっ?愛ちゃん、もうコーヒー飲めるの?」 「愛、コーヒー飲んだことないでしょ。麦茶にしなさい」 「やだ、あいちゃんも、コーヒーのむの!」 「お姉ちゃん、どうする?」 「色ついていればいいから、コーヒー少なめで、 牛乳たくさん入れてもらっていい?」 「分かった」 「愛ちゃん、苦いでしょ ?砂糖入れる?」 「にがくない。おさとう、いらない!」 「愛ちゃん、これ入れると、おいしいよ。 私、いつも、このコーヒーも入れるの。 愛ちゃんのも入れていい?」 「・・・うん、いいよ」 「あっ、にがくなくなった!」 「愛ちゃん、がんばるより、美味しいって笑ってくれてる方が、私は嬉しいな」 「でも、あいちゃんね。おねえちゃんになるの。 だから、オトナになりたいの」 「大人になってどうしたいの?」 「ママがにゅーいんしても、泣かないの」 「そっかぁ。ママが入院しても、泣かないように 大人になりたいんだ」 「うん。あいちゃんが、ないたら、ママ元気なくなっちゃうから。」 「じゃあ、ママが入院している間、こうやって一緒にコーヒー飲もうか?」 「いいよ!」 「ありがとう。でもいいの?」 「大丈夫。お姉ちゃんは、元気な子産んでね」 「ママ応援団だね。愛ちゃん、かんぱーい」 「あい、ママ、おーえんする!」 カチーン 「さっき入れた粉なって?」 「あれね。ココア」 「昔、お姉ちゃんも私に入れてくれたよね」 「そうそう。飲めないくせに、背伸びして、コーヒー飲むって聞かなかったんだもん、あんた」 「誰かのために背伸びしたい時も、ありますよ」 「もういっかい、かんぱーい!」 「えっ、はい。かんぱーい」 カチーン。
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