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… … …
… … …
《 カラーン…♪ 》
… ?
「 あら、いらっしゃい♪ なによ誠、今朝は随分と早いんじゃない?」
青梅市小作… 正直言うと羽村市なのかも知れないが、そんなことはいちいち気にもした事もねぇ。
ハハ、つぅ~か、する必要もねぇ~んだけどな?
ただ、俺は… 新奥多摩街道が走るこの街で、その国道を横切って越えた坂下の先にある小洒落た西洋風の店…
扉を開けた瞬間にカーベルの音が心地好くと響く昔ながらの雰囲気が漂うこの店が、ひどく気に入っているだけなのだから。
「 ふぁ~、あぁ… な? 何だか夢見も悪りィ~し起きりゃ起きたで退屈でよ?
取り合えず飯くれ飯… ふぁ~。」
まったく… あくびか止まりゃしねぇ~。
「 ッしょ、と … 」
《 チラ …》
俺は店の奥、程よく日差しが窓から差し込むテーブル席へと腰を降ろすと視線をその窓の外へと向けた。
「 … 随分と長いこと乗ってンよなぁ?
そろそろ乗り換えてもいいんじゃねぇ~の?」
ふぁ~、とと… あぁ、駄目だやっぱ眠ィ~。
《 コポコポ… シュゥ…》
んぁ?
お… こりゃ~♪
耳を擽-クスグ-るコーヒーメーカーのドリップ音と鼻腔を満たす深く奥ゆかしい芳醇な香り …
「 エヘ♪ …う~ん、でもほら、やっぱり憧れてたからかなぁ?
それにさ、まだまだ元気だしね? あの子を手放すつもりはないんだぁ♪」
「 ふ~ん、あそ? ま、いいんじゃね?」
チッ、そんな表情-カオ-して嬉しそうに話すんじゃねぇ~よ?
タク… 此方の気も知らねぇ~でよ …はぁ~あ。
ドリップされる珈琲の香りに満たされていく店内の柔らかさに合間心愛って、なんの屈託も無くに繰り出される志織の無邪気な笑顔が何よりの凶器に変わる瞬間。
マジ… 勘弁してくれよな?
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