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《 ジュゥ… コト… カチャ…♪
トクトクトク… カチャ… カ… コト… ♪》
… … …
… … …
「 はい、ブルマン♪ … 今、サンドイッチでも作ってあげるからそれ飲みながら待ってて♪」
… フワ …
「 あ、あぁ… 」
って、クソッ!
俺は何に変えてもこの『ブルーマウンテン』という珈琲が好きだ。
だから… それを知っている志織もまた、俺が何を言わなくても自然とコイツを出してくる。
ただ… な?
その珈琲の香りと共に俺の座るテーブルへと微かに香るアイツの髪の残り香もまた、俺の心をこうまでして揺さぶって来やがるもんだから始末が悪い。
わざとやってんのか?
って、そんなわきゃねぇ~か?
… … …
… … …
… チッ。
アイツの左手の薬指に光るシルバーのリング。
そう、志織はもう10数年も前に結婚している旦那持ちの女だ。
俺がトロトロとしている内に気がつけば何処の馬の骨とも解らん奴に突然サラッとかっ拐われちまってた。
『 フィガロ 』
表に停めてあるミントグリーンの可愛らしい車だってソイツからのプレゼントだったと言う。
やってらんねぇ~よなぁマジで …
「 あぁ、悪りぃ… んの前にざら灰貰ってもいいか?」
《 ガサゴソ… シュ…
スゥ… . トントントン… ト… パク 》
… … …
… … …
《 カチ♪ シュ … 》
ふぅ … . .
旨い煙草に旨い酒、多少の金といい女 …か?
まったく… 小学生のガキにしちゃ随分と可愛い気のねぇ~夢だったよなぁ?
いったい、何処で何をしてんのよ"お前"?
《 カチャ… 》
「 はい… どうぞ。ってか、一時期は止めていたのにまた吸い始めたの?
早死にしても知らないんだからね?」
「 あぁん? あぁ… な? ま、ほっとけ。
そん時でも来たら線香変わりにマルボロ1本、俺の墓前に立てといてくれりゃそんでいいからよ?」
「 はいはい、まったく …本当に知らないんだからね?」
「 スゥ… . ジジ… ふぅ~。へぇ~い … 」
ハン、むくれた表情-カオ-も可愛いじゃねぇ~か?
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