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………お兄ちゃん。
………………お兄ちゃん。
メアリーの声がする。
夢だと分かっていても胸の奥から懐かしさが込み上げるのが分かった。
真っ白な空間。光が絶えずに流れていく。
メアリーに何だ、と問いかける。
かつて見慣れた栗色の髪が目の前にあった。
あのね、今日ね。お客さんが来るんだって………
お母さんが言ってたの。
メアリーが嬉しそうに笑う。
でも俺は笑えなかった。
ルーク………
ふと名を呼ばれる。
母さんの声だ。
振り返るとこの白い光の空間はいつの間にか自分が暮らしていた家の中の中なっていて、母さんが目の前に立っていた。
やっぱり、この夢からは逃げられない。
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