悪夢の契約

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 淡々とした流れと共に、島木がなにかをテーブルに差し出す。それは分厚い書類とむき出しの長ドス。 「この契約書を良く読んで、血判(けっぱん)を捺(お)すんじゃ。まずは明日から一人暮らししてもらう。もちろんそれなりのボーナスも支給する。それとじゃな……」  こうして悪夢の契約は淡々と進んでいく。なんなんだよこの細かい文字。一枚に原稿用紙数枚分は詰め込んであんぞ。しかも数百枚、見てるだけで瞼が重くなる。それと血判ってなんだ? 時代劇かヤクザ映画でしか見たことねーぞ。どのみち命のやり取りだ。  所詮この世はピラミッド社会。カースト制度には逆らえない。俺の上にモーリーがいて、その上にオーナー、更にてっぺんに君臨するのがオッサン。しょせん俺はその底辺を徘徊する奴隷だから。  世界は最悪だ。俺の意思と関係なく動き出す。その先に待ち構えているのが、更なる悪夢と分かってるのに__ 愛と修羅な人生 第一話~終わり
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