第3章

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「はい。嬉しいです。解放されるみたいで…」 自然に笑みが零れると 「笑った顔は、初めて見ました」 「そうですか、彼女、よく笑いますよ… 先生がイケメンで、緊張してたのかもですわ…ねぇ?」 おばちゃんに、話を振られて、真っ赤だと思う。 だけど、入院して以来、初めていろんな話をした。 だから、いつもは短い、回診時間も長くて… 「先生は独身ですの?それとも結婚されてます…」 確信に触れると『独身です』と呟いた… 「彼女さんはいるのかしら?」 「いません。妹には“早くいい人を見つけろ”と言うんですけどね」 おばちゃんの質問に答える医師に顔がニヤける。 それを隠すように布団を被ろうとすると、おばちゃんがニヤッとした。
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