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「聞きなさい」
センセイの声は、厳しいときほど良く響く。
センセイの声ってだけで私には圧倒的な力があるのに、ズルイ。
もう最後にしたがってるセンセイの言葉を、聞き逃すなんて選択はない。
「たくさんの人に会って、たくさんのことを知って、たくさん考えるといい。君の見てきた世界がどれだけちっぽけだったか分かるまで世界を広げるんだ。そう約束してくれ」
「いやです……っ」
センセイは、いつもそうだ。
私を突き放そうとしてばっかり。
お別れの淋しささえ、分かち合ってはくれないの?
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