馬鹿、また頑張りすぎてる

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突然の事に驚いていると藍くんは唇を少し離して口を開いた。 「何無理してるの?もう無理しないでって言わなかった?」 「……っ」 「井原から聞いたけど、ご飯食べてないって?」 「そ、れは……」 「何に焦ってるの?なんで無理するわけ?俺の言う事聞いてくれないの?」 完全に怒っている藍くん。 どう言ったらいいのか分からなくて藍くんの目が見れない。 頭は相変わらず痛くて、ずっと気持ち悪くて。 世界がグルグル回っているような気がして。 足がふわふわしている感覚。 俯いて何も言えない私の手を掴んで再び歩き出そうとする藍くんに手を引かれる。 すると足がガクッとなって私は座り込んでしまった。 息が苦しい……。 「はぁ……っは……っ」 浅い息しか出来ない。 苦しくて涙が出てきて、目の前が真っ暗になっていく。 「白雪!!」 そのまま私は倒れてしまって、意識を失った。 ♡*:;:*♡♡*:;:*♡♡*:;:*♡♡*:;:*♡♡*:;:*♡♡*:;:*♡♡*:;:*♡*:;:*♡♡ 目を開ければそこはベッドの上だった。 見渡せば藍くんの部屋。 最近一緒に寝ているから知っている。 私……確かまだ仕事場に残ってて…… 藍くんが、来て…… ぼんやりとしながら先ほどまでの事を思い出す。 そうだ、私は倒れた。 そう思い出して起き上がる。 まだ頭は痛くて、私は頭を押さえて俯いた。 すると部屋の扉が開いて、藍くんが入ってきた。 「白雪、起きたんだ」 「藍くん……」 藍くんはベッドの淵に腰掛けると私の頭を撫でた。 「平気?気分悪くない?」 「頭が痛いくらい……」 「頑張り過ぎた罰だな」 そう言って藍くんは私を抱き締めた。 「焦った」 「え……?」 「白雪が目の前で倒れて。どうしてもっと早くに止めなかったんだって後悔して、このまま白雪が目を覚まさなかったらって嫌な考えばっか浮かんで。……こうなる前に、白雪を俺のにしとけば良かったって」 頭がぼんやりとしていて、藍くんの言ってる事の半分以上が分からない。 俺のにって……私は藍くんの彼女じゃないの? 河井さんに会って、やっぱり河井さんが良くなった? 考えたくない感情ばかりが浮かんでくる。 とても虚しくて悲しい。 いっそ、このまま藍くんが私の全てを奪ってくれたら……。 怖くなんてない。 覚悟なんて当の昔に出来ている。 私は、藍くんとだったら何をされても怖くないから。 「藍くん……」 「ん?」 「私の事……抱いてくれませんか?」 そう言うと一瞬藍くんがビクッとした。 「それは……」 「私は、藍くんとなら怖くない。覚悟は出来てるし、何をされても嫌いにならない。藍くんが私のためを思ってくれているのは分かってる。でも……でも……っ」 涙が溢れてきて頬を伝った。 そんな私に気づいて藍くんが私の顔を見た。 ・
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