馬鹿、また頑張りすぎてる

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「白雪、なんでご飯もちゃんと食べずに無理ばっかしたの?」 「あ……」 頭に浮かぶ、河井さんと楠さん。 ギュッと藍くんの服を掴むと藍くんはポンポンと背中を優しく叩いてくれた。 「仕事が出来ないって……思われたくなくて」 「そんな事誰も思わないよ」 「でも、私ミスした。それに、河井さんと自分を見比べてしまうの」 「なんで理沙……」 「だって河井さんは私達と同じ年齢で、今年入社したばかりなのに大きな仕事を任されている。それなのに私はミスして、先輩達に迷惑をかけて……。劣等感でいっぱいで、ご飯なんて食べる元気が無くて……」 藍くんは小さく息をつくと私の頬に手を滑らせた。 「それで倒れられたら俺の心臓が止まるから、もうやめて」 「え……?」 「ご飯はちゃんと食べて。それから仕事詰めすぎない。ウエディング部の人達は白雪に無理して仕事してもらっても嬉しくないと思うよ。倒れたら、もっと先輩達に迷惑をかける。体調管理も仕事の内だって江藤先輩がよく言ってる」 「……」 「白雪が言う事聞かないなら、俺にも考えがあるから」 「考え?」 「今は教えない。だからもう無理しないって約束して」 藍くんから差し出される小指。 「指切り。破ったら、白雪を物理的に閉じ込めるから」 どういうこと!? 不敵に微笑む藍くんに青ざめる私。 私は藍くんと指切りをしながら怯えるのだった。 ・
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