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「俺は、白雪が話してくれるまで待つよ。なんで自分がそんなに嫌いなのか」
「……」
「ただ覚えておいて。俺はどんな白雪も好きだから。俺から言われる『可愛い』も、言われたくないなら言わない。心の中で言うことにするから」
「あ、藍くんに言われるのは……好き……」
赤くなりながらそう伝えると藍くんは私を軽く抱き締めた。
「そっか。じゃあ我慢せずに言う。可愛いよ、白雪。大好き」
な、なんか藍くんがベタ甘なんですけど!?
ドキドキしながら固まっていると藍くんはふわっと微笑んだ。
「俺の可愛い可愛い白雪姫。俺は君の王子様になれてるかな」
そう言って私に優しく口づける藍くん。
甘やかされるようなキスに思考が溶かされていく。
ああ……本当だ。
好きすぎて、馬鹿になる。
何度も何度もキスをして、そして見つめ合って笑い合った。
幸せな、こんな時間が続きますように。
そう願わずにはいられない、そんな出来事。
この時の私はまだ気づいていなかった。
スマホに点滅しているお知らせのランプが、私を苦しめる事になるなんて。
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