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すべての作業を終えられたらしい王子班長がふぅっと息を吐いた後に、そわそわしだした。
雰囲気がなんとなくそわそわしている。
「そんなに吸ってなかったと思ってたんだけど、いつもの一服がないと変な感じだ」
煙草がなくて困った顔をする王子班長が純粋に可愛らしく見えた。
「禁煙すると口寂しくなるって言いますよね。そうだ! さっきお隣さんからいただいた美味しそうなチョコ……」
口を噤みましたとも。
睨まれましたからね……あぁっ、本物王子様からの御下賜品なのに!
睨んでいたと思った王子班長の口角がクイっとあがり、意地悪な目でニヤリと笑った。
えぇっ!?
王子班長、キャラが違うんですけどっ!
なんとなく、危険な香りが漂っているような気がしてその場を逃げようとしたはずなのに鈍くさい私よりも先に王子班長が私との距離を詰めてきた。
ヒィッ!!!
「口寂しいからってチョコを食べようとするその根性はダメだよね? 思いついたんだけどさ、お互いに口寂しいと思ってるんだったらキスすればよくないか?」
!!!!!
アウチ!
王子班長とのキスはしてみたい気もするけどっ!
理由が口寂しいからって!?
「またまたご冗談を……」
そろりと後ろに逃げようとしたのに、肩肉をムニュっと掴まれた!
アウチッ!!!
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