side S

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「ほら、プライベートの聡子は奴隷って設定だっただろ?」 「いや、メイドだったと思うのですが……」 かなり近い距離で聞かれて、冷静に奴隷は酷過ぎると思い訂正。 奴隷って何だ! 王子班長ってこんな人だったの!? 「ご主人様がキスしようって言ってるんだから、しろって」 アウチ! しかもっ! キスをするのは既定路線!? さらに、私からするの!? 「そ、そういうのはですね? 好きな人とするものですって」 あぁっ、なぜ好きな人にこんなことを諭しているのだ。 「聡子のこと、好きだよ? 聡子は俺のこと嫌い?」 「いや、嫌いじゃないし好きですけど……」 なんか絶対に違う! 王子班長のそれは同僚としてだし! 今の私の答えもそういう意味だと思うだろうし! 「じゃぁ問題ないじゃん」 ニヤリと笑う顔。 ヒィッ!!! 心臓が止まるから! 憧れていた王子班長のお宅にいるだけでいっぱいいっぱいなのに、まさかの接近戦でキスをせがまれて拒んでいるってどういうことだっ! 「挨拶みたいなもんでしょ」 挨拶って! 欧米かっ!
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