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「いきなりダイエットなんて言いだして、なんかあった?」 私に聞いた後すぐにカウンターの中のお兄さんに替え玉の注文をしている王子班長。 カウンターの中のお兄さんは、元気に返事をして手際よく替え玉を茹でている。 「この前、元同僚の篠田さんの結婚式と披露宴があって悟りました。このままではいけないなと。痩せた方がいいと」 「へー。でもさ、痩せればいいってもんでもないでしょ」 「太っているよりも断然いいと思います。洋服だってサイズを探さなくてもいいようになるし」 「あー、なるほど」 不躾に私の方に視線を寄越してくる王子班長。 その視線に顔が熱くなってきていたところに、タイミングよく王子班長のどんぶりの中に替え玉が投入された。 どうして王子班長みたいに、替え玉まで注文しているような人がスマートな体型で替え玉なんて頼まない私がこんなふくよかな体型なんだ。 不公平だ。
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