第2章~落書きの返事~

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チャイムが鳴ったので準備室から理科室へと移動する。 と言っても隣だからすぐなんだけど。 「今日は…三組田中さん。」 名前を呼ぶとは『起立、令』と号令を掛けた。 「じゃあ今日は前回の実験の結果について話しましょう。」 授業を進めつつ佐倉に目をやる。 あいつ…落書きに気づくかな? 気になってチラチラ見てしまう。 教壇からは案外良く見えるもんだからな。 すると佐倉はあからさまに机に何か書き始めた。 おーおー、気付いたわ。 っつーか、俺の授業はそっちのけで机に集中かよ! こりゃ失敗だったかな… そんな事を頭の片隅に置きながら授業を進めた。 何て書いたのか気になって授業が終わったらそこを通って落書きを見る。 ‘あなたも理科嫌いなの?’ 嫌いなの?って、嫌いなわけねーだろ! むしろ理科以外の教科の方がわかんねーしつまんね。   ‘いや?俺はどっちかと言えば理科は好き’ そう書いてクスリと笑ってしまう。 まぁ…理科の教師なんだから嫌いじゃ困るわな つか‘あなたも’って言うってことは佐倉は理科が嫌いなんだな… 様子見るか。
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