暴力沙汰の場合

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その時でした。 ズッ 鈍い音が響き渡った直後… ガンッ バタッ 思いっきり殴られその弾みで 右腕から崩れ込んだのですが、 何故か力が入らず 地面にしなだれました。 『ヒャッハッハッ!!』 『しぶてぇ女だと思ってたが、 姉ちゃんよ~ お前もそこまでだ。』 頭上からの罵声を 朦朧とした意識のなか聞いていました。 それでもゆっくりと体を起こした時でした。 「ハッハッハッハッ!!」 私は突然笑いが込み上げてきました。 『どうした!? 自分の血見て頭可笑しくなっちまったか!?』 「ヒャッハッハッ!!」 私の右腕は1人の男が持っていた刀によって服もろとも 肉までザックリと斬られ血が次々と 流れていました。 「んな訳ねえだろ…」 私の腰を踏んでいた男の弁慶を 肘鉄でどけ言いました。 「こんなにも自分が生きている 事が残念だと思ったのは初めてだよ…」 この時初めて深く斬られた自分の右腕をまじまじと見ました。 私は何処からともなく 理由の無い力がみなぎり いとも簡単に立ち上がると、 どっから出てきたのかも わからぬ力で ふと我に返った時には、 周りに沢山男が転がっていました。 もはや、人にすら見えず、ただのゴミにしか見えませんでした。 再び少し我に返った途端 再び右腕が痛み始め 笑いが込み上げてきました。
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